初恋を拗らせた幼馴染が婚姻届を持って溺甘淫らに求愛にやって来ました
「なあ、ちょっと聞こえたんだが、即金で払えれば、この店、売ってくれるのか? 」

「え? 」

 思い掛けない方から声がして、顔を向けた。

 興奮して、つい声が大きくなって、店内のお客さんにも、聞こえてしまっていたようで、そこにはたまに纏めてチケットを購入してくれる、帽子を目深く被ったサングラスの男性が、立っていた。

「なんの冗談だ? 」

 隆也さんは片眉を上げ、フンッと鼻で笑う。

「彼女の抱えている借金と、ここの店舗の金額、併せて七千万だったな。 即金で払う。 売ってくれ」 

 そう言って、彼はポケットから名刺を取り出し、隆也さんに渡す。

「お前、あの三島不動産か! 」

「三島……? 」

 聞き覚えのある苗字に、ジッと男性の顔を見つめる。

「……本気か? 俺は、払ってくれるなら誰でも構わないぞ」
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