初恋を拗らせた幼馴染が婚姻届を持って溺甘淫らに求愛にやって来ました
サングラスが外れて、素顔が露わになった三島さんの顔を目にした瞬間、私は目玉が溢れ落ちるかと思う程、目を見開いて、ハッと息を呑んだ。

「……蒼……? 」

「……ニコ……、久しぶり……だな」

 蒼は私の顔を見ると、少しはにかんで笑う。

10年という月日は経ったが、あの頃と変わらず、陽に透けると少し茶色く見える色素の薄い目の色も、手足が長く細身でスラっとしている身体も、蒼の面影が残っている。

 ああ……、この困った様な、戸惑った笑い方……変わってないな……。

 そう、懐かしく思ったのと同時に、この10年間の月日が、瞬時に脳裏に浮かんだ途端、悲しいかな、やはり脳筋ポンコツ父の血を引いた娘である。

 頭で考えるより先に身体が動いてしまった。

 バッチーーーーーンッ!!

「……ッ!! 」
「ニコッ!? 」

 頬を思いっきり平手打ちされた蒼は、一瞬、目を見開いて、キョトンとした表情をした後、ヘラッと笑った。

 何でも笑って誤魔化そうとする、蒼の変わらない行動に、イラッとして、更に殴り掛かろうと怒る私の手を、ポンコツ父が慌てて、掴かむ。

「何が……っ、久しぶりだな、よっ!! この10年連絡ひとつも寄越さなかったくせに、ヘラヘラ笑ってるんじゃないわよーーーーっ!」



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