イケメンを好きになってはイケません⁈
 目のまえでコーヒーを飲んでいる森下くん。
 目の下にうっすらクマがある。

 本当に申し訳ない。わたしなんかのことで寝不足になるなんて。

「ごめん。しつこくて」
 それなのに、彼はわたしに頭を下げる。

「そんなことないよ。あのままじゃ納得できないよね」
 彼はこくりと頷いた。

「何をしてる人?」
「大学の准教授」
「へえ」

 わたしは、彼とはもう長いつきあいで、教授に昇進したら結婚する約束になっていると話した。

< 62 / 119 >

この作品をシェア

pagetop