イケメンを好きになってはイケません⁈
***

 それから3日経っても彼からの連絡はなかった。

 オフィスの空気は重く沈んでいる。
 もちろん、わたしもあの夜からほとんど寝ていない。

 一縷の望みをかけて、あの日からスマホに連絡を入れつづけた。

「聡子さん、おれ」という明るい声が聞こえてくるのを期待して。

 でも、はじめは『電源が入っていません』というアナウンスが流れていたけれど、そのうち、まったく不通となってしまった。

 それでも、自分のスマホの画面が光るたびに、彼からの連絡ではないかと期待してしまい、裏切られるたびに失意の底に突き落とされた。

 やっぱり……わたしは災厄をもたらす女だったのだ。
 森下くんの強運を持ってしても、それは防げなかった……

 
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