溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。
その後と言えば，ろくなことなんて1つもなくて。

真理にはフラれてしまった。

最近の真理は，いつもどこかへ行ってしまいそうな雰囲気があって。

知らないうちに，大分前には変な同級生とかいう男に告白されてて。

友達が増え，口数が増え。

僕しか知らなかった真理が，表に顔を出して。

真理が僕を好きでいてくれるのは，いつまでなんだろう。

そんな風に，僕が焦っていたからいけなかったのかな。

真理が僕に，好きだと口にしたことはない。

僕の好きを，信じようとしてくれたこともない。

だけど，それでも僕は好きでいて，それをずっと伝え続けてきた。

なのに，あの時にもう一度，真理は。

僕の気持ちを疑った。

全部が本音じゃないことくらい，分かってあげられなかったわけじゃない。

だけど僕は大人げなく乱されて，もう一度伝える事は出来なかった。



「真理……好きだよ。嘘を付いたことなんて，無いって，知ってるくせに」



真理は，どう？

僕は真理の特別には，もうなれない？

そんなこと，出払って誰もいないリビングで口にしても，意味がないのに……
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