溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。

アメとムチ

凪のいなくなった自室で,私は1人膝を抱え込む。

けれどそれでなにかが変わるわけでもなく。

私は最後にぎゅっと自分の足を抱き締めると,部屋を出た。

ほんの少し緊張しながらリビングの扉をあける。



「凪,なにしてるの?」



凪はキッチンで何かを作っていた。



「たまごやき。あとは鮭焼くだけでいい?」

「うん」



作って,くれるんだ…



『お嫁さんって…』


ポワリと凪の言葉がよみがえる。

あぁっもう…!!

私は急いで脳内から凪を追い出した。

凪は私の表情をみて微笑むと,少し残念そうな顔をする。



「まぁ,そんな劇的に変わるわけもないか」



そして,小さな苦笑を漏らした。


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