この政略結婚に、甘い蜜を
朝ご飯を食べた後、華恋は「着ない!」と抵抗したのだが花音に「ダメ!」と言われて無理やり服を着替えさせられてしまい、ドレッサーの前に座らされる。
鏡の中には、レースのついた白いブラウスを着た華恋が映っている。下は膝丈の赤いスカートを履いており、とても可愛らしい。何年ぶりに着る可愛い服に、華恋は戸惑っていた。自分の感情がぐちゃぐちゃに混ざり、わからなくなっている。
「お姉ちゃん、せっかくネイリストしてんだからおしゃれしなよ!それにすっごく似合ってるよ?」
花音がグロスやアイシャドウをメイクボックスから取り出し、華恋にメイクをしていく。綺麗にされていく自分を見て、華恋の頭に思い出したくない声が蘇る。
『こっち見んなや、このドブス!』
ズキズキとする痛みに心が泣き始める。おしゃれをしたというのに、気分は下がっている。だが、華恋は花音に可愛らしいブランド物のバッグを持たされ、家を出ることになった。