願わくば溶けて
僕はそのマグカップを手に彼女のいるリビングへ足を進める。
「はい、お待たせしてすいません。どうぞ」
彼女の前にマグカップを置く。
「あ、ありがとうございます!これは…… もしや」
わなわなと震える彼女。
「はい、ホットミルクチョコレートです」
「はわあ!あの、かの有名なですか!甘くて美味しいとか、言われてたり言われてなかったりするあの!」
「どっちなんですか…… いや、まぁ、はいあのかの有名な?かは知りませんけど多分あなたの知ってるホットミルクチョコレートです」