願わくば溶けて
「あわー、あんな固形のチョコがこんな素敵な物に変わるなんて。感激です。ありがとうございます!弘人さん」
「それは良かったです」
目を輝かせて彼女はホットミルクチョコレート入りのマグカップを見つめる。
ここまで喜んでくれるなら作った甲斐がある。
…… 純粋な下心ありきで作ったものだけれど。
「では、いただきます!」
「どうぞ」
彼女は笑顔で甘い湯気ごとホットミルクチョコレートを喉にこぼしていく。