【完結】私、実はサレ妻でした。


「……円香」

 昨日の夜、夫が私を抱いた時に呟いた名前だ。

「円香って、誰よ……」

 円香、聞き覚えのない名前だ。……円香はきっと、夫の浮気相手の可能性が高い。
 私の名前を呼んでくれていたけど、最後だけ【円香】と呼んだ。 あれは絶対に、浮気している証拠に違いない。
 
「……円香の正体、突き止めてやる」

 円香が夫の浮気相手だということを突き止めて、夫に白状させる。

「……離婚、した方がいいのかな」

 でも離婚するにしても、子供がまだ小さい。しかも二人ともなると、一人で育てるなんて無理に決まっている。
 父親がいないなんて、子供からしたら可哀想すぎる気もするし。……私はどうするべきなのだろうか。

 もし夫が浮気していると知っても、目を瞑るしかないのかな。
 子供たちのためにーーー。

 私は【円香】の正体を突き止めたくて、そして夫が本当に浮気しているのか知りたくて、夫に内緒で探偵を雇うことにした。




「あの……夫が浮気しているかもしれなくて……。その、調べてほしいんです」

「なるほど。奥様は、何かそう思う根拠でもあるんですね?」

 近くにある四葉探偵事務所で、私は夫の浮気について相談した。

「はい。……昨日、夫が私以外の女の名前を呼んだんです。円香って」

「円香? それが浮気相手かもしれないと?」
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