【完結】私、実はサレ妻でした。

 探偵の四葉さんからそう聞かれた私は「……はい」と答えた。

「その人が例えば、旦那さんの妹さんとかいう可能性は?」

「ありません!……夫の兄弟は、お兄さんだけですから」

 まさかそんなことを聞かれるなんて……。
 これって私のことを、信用してもらえていないってことなの……?

「……そうですか」
 
「私たちには小さな子供が二人います。……もし浮気していたら、私は夫と離婚するつもりでいます。 なのでお願いです、夫の浮気調査をお願い出来ないでしょうか?」

 私は四葉さんに、そう問いかけた。

「……分かりました。ではそのご依頼、承りましょう」

「ありがとうございます……!」

「ただし、僕は高いですよ?」

 と怪しげに言われたが、私は「構いません。お金ならいくらでも支払います」と答えた。
 
「分かりました。 では何か分かり次第、こちらから連絡いたしますので」

「……はい。よろしくお願いします」

「ただ、調査にはそれなりに日数もかかりますけど、よろしいですか?」

 そう言われた私は「……はい。構いません」と答えた。
 そして私は探偵事務所を出ると、そのまま自宅へと戻った。

「……円香って女、見つけたら殴ってやろうかな」

 私の夫を奪ったことを後悔させてやるんだから。……絶対に。

 夫には何も知らないフリをする。何も分からないフリをするの。
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