明日はきっと、晴れ。
1. 深夜の風

Rei.

side_麗


「おはようございます、みなさん」

わたしがそう言うと辺りはしんと静まる。

あぁ、わたしはみんなから嫌われちゃってるんだな、、と眉を下げながらも
周囲を見回して律くんを探す。


あ、いた。


集団の中で、1人だけ輝いて見える律くんの方へおもむろに足を運ぶ。


「おはよう、麗」

隣に行くと彼はニコッと微笑んで
毎朝のように暖かい声で包んでくれる。

「た、橘さんおはよう!」
「おはよう、橘さん!」

後ろから聞こえてくる声は、
確か隣のクラスの金山くんと市川さん。

彼らの声に続いて次々と挨拶を返してくれる。

なんだ、嫌われてなくてよかった。

ちょっとだけ、いや、すごく嬉しくなって、

「だから麗でいいって言ってるのに〜」
と笑いながらみんなに挨拶を返す。


多分この学校の生徒の顔と名前は全員一致する。



そんなわたしによかったななんて頭を撫でてくれる律くんは、
実はわたしの彼氏でもなんでもない。

でも、ただの友達ってわけでもない。
わたしたちの関係は………


「りーつー!れーいちゃんっ!おっはよー!」
「おはようございます、律、麗さん」
「…はよ、律、麗」

あ、紹介したい彼らがやってきた。

「あぁ、おはよ」
「澪くん、誠也くん、新くん、おはよう」

朝から元気な赤髪の澪くん、
成績は常にトップクラスの誠也くん、
眠そうな声なのは新くん。

それぞれに挨拶を返してわたしの学校生活は始まる。

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