明日はきっと、晴れ。

Rei.

side_麗


「あーもうっ!麗さん助けて!」

今年も倉庫中に呻き声と叫び声が広がる季節がやってきた。

6月も中旬になり、いよいよ期末テストが近づいてきたのだ。

定期テスト前になると高校生組はみんなで倉庫に集まって勉強会を開く。


わたしは前も話した通り、
大学レベルの頭脳を小学生ながらに手に入れてしまったから、先生として引っ張りだこ状態。


律くんと誠也くんも教える側に回る。

律くんは本当に要領が良くて、
誠也くんは真面目だから

2人とも常に学年で5本の指に入るくらい賢い。


新くんはというと、
おじいちゃんの畑で楽しく畑仕事を手伝っていると
一くんとのツーショット写真を送ってきて、絶賛田舎ライフを楽しんでいるようだ。



「んーあ!もう無理だ!」

「なんで点Pは動くんだよ!止まっとけよ!」

「麗さん!英語ってなに!be動詞ってどれ?!」

「律さん、助けてください…」

メンバーたちが涙目になって私たち2人に縋り付いてくる。


「お前らうるせえ!少しは黙れ!」
キレ気味の澪くん。



「あはは、高校生は大変そうね〜」

そう呑気にオレンジジュースを飲みながら雑誌を読んでいるのはひかりん。

その隣でそうですね〜と相槌を打った誠也くんはハッキングをしている。


「テストどれ出るか教えてくれてもいいじゃん!」

ぷくっと頬を膨らませて口々に文句を言葉にするメンバーたち。

いや君たち、それ普通にカンニングで処罰対象だからね?
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