明日はきっと、晴れ。

Ritsu.

side_律


パンッ!

という乾いた発砲音と共に目の前に広がった真っ赤な血。



目の前には俺を守るように、黒髪の少女が立っていた。




「り、つく、、まもれて、よか、た………」

そう言って倒れ込んできた彼女を支えると
生暖かい感触と冷たい肌が伝わってきた。


「麗が、好きだよ」

彼女はその言葉を聞いたかのか、聞いていないのかは分からないけれど、

穏やかな笑顔で、意識を手放した。



何があったか分からないまま救急車と警察が来て、

自分だけが流れる時間の中に取り残されたように、
ゆっくりとした時間が流れた。



翌日、校長が全校集会を開いて
麗が目覚めるまで学園祭は延期だということが満場一致で決まった。



先生も、先輩も、後輩も、
みんな目を赤くして泣いていた。



その中でただ1人、自分だけが泣いていなかった。


泣いていなかったというより、



泣けなかった。
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