俺の世界には、君さえいればいい。




ほんと、優しすぎるよかなのは。

後藤さんにもあそこまでされといて「ありがとう」って言っちゃうんだもん。


ドM…?ドMなの?って、本気で心配になったくらいだ。



「…でもおかしいだろ、その嫌がらせってぜんぶ由比さんだけだ。
俺は…なにもされてない。それなのに俺を守るために離れるって、なんで…?」


「その矛先があたしらに向かわないって保証もないでしょ?
あと、…なにか他に核心的なことがあったんじゃない?」


「…核心的な……こと…、」



それもかなのは言わないから分からないけど…。

でも、あんなにも櫻井 主計を見つけるだけで毎日幸せそうな顔してた子が自ら離れるくらいなんだから。


その横山って人が櫻井に直接的に手を加えようとしていたか、すでにそれがされていたとか。


そんな考察をすることだって出来る。



「……もしかして、」


「なに、なんか心当たりでもあるの?」


「…あとは俺がどうにかすることだから。お前はもういいよ」


「は!?お前はもういいよって!!なにその言い方…!!ここまで教えてやったのあたしなんだけど!?」



やっぱりムカつく…!!

顔だけだ、顔だけなのだ。
かなのはこいつのどこに惹かれたの…?

大丈夫?騙されてない?



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