ノート


生涯に渡るこの『汚点』。
俺の人生の汚点が、教室の棚にまで並ばないようにと願った。
部活が終わって、家に帰ったら、今日は休みだった母さんに夕飯用の卵を頼まれてまた家を出た。

「あ」

なっちゃんが、家の前に居た。

「な、に」

「いや、あのさ……たのみがあるんだ」

聞いたとき、危険だと思った。
心の代わりを必要としている心は、逆に、他人に頼られたりすがりつかれる余裕を持つのはよくない。

「いいよ、何」

なのに、俺は断れなかった。




「いやー、助かったよ。俺じゃどうしようもなくて」
なっちゃんの頼みは、道端に居た知らんおっさんたちの喧嘩の仲裁。
年上が周りに多かったからか俺はよく、こういう役回りをさせられてきたからあまり苦でもない、はずだった。

「うん、よかったな」

上の空で返す。

「やっぱお前しかいないな。
礼に奢るよ」

「あぁ」

「あっ!秋弥とスズじゃん!」

ハンバーガーでも食べるかと、店に入った。
昔の知り合いの女子どもが、先にテーブルに存在していた。
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