悪い病気は治さなきゃ
「先生、何を言って……」

未来の両手はいつの間にか縛られ、頭の上で固定されている。逃げ出そうともがいても、拘束は外れない。

「未来は悪い病気にかかってる。大丈夫、先生がすぐに治してあげますからね」

高嶺が片方の手でネグリジェの前を開け、もう片方の手は未来の細い太ももを撫でていく。

「さあ、治療を始めようか」

ニヤリと笑った高嶺を見て、未来は体が元気になっても当たり前の日常を手にすることはできないのだと悟り、涙を零した。









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