跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
千秋さんの暮らすマンションは、自宅から四十分ほどのところにある。地下の駐車場からエレベーターに乗れば外に出ないで部屋まで行けるが、この辺りの様子を見ておきたいだろうと、わざわざマンションの正面へ連れて行ってくれた。
「なに、この威圧感。家主と同じだわ」
三十五階建てだというマンションの最上階は、はるか上空だ。見上げながらついつぶやいたひとり言は、本人にしっかりと拾われてしまった。
「到着早々、夫婦喧嘩を吹っ掛けてくるとはな。なんならこのまま本当に、喧嘩でもしてみるか? ベッドの上で」
そんな場所でする喧嘩って、一体なんなのよ!! と言い返したいのに、〝ベッド〟という私にとってのパワーワードにやられて赤面する。
それをおかしそうに笑った千秋さんは、ご機嫌な様子で私の手を引いた。
異性と手をつなぐのは、学校の授業以来だ。プライベートでそうする機会など、これまでありもしなかった。
それを知られるのはどうしても悔しくて、絶対に反応なんかしないと唇をぐっと噛みしめる。
早鐘を打ち出した鼓動を無視してなんとか耐えていたところ、視線を感じて顔を上げると、こちらを見下ろしていた千秋さんがニヤリと笑った。
〝これも初めてか?〟と問われている気がするのは、思い違いであって欲しい。きっと私の被害妄想だと目を逸らすと、くすりと小さく笑い声が聞こえてきた。
「なに、この威圧感。家主と同じだわ」
三十五階建てだというマンションの最上階は、はるか上空だ。見上げながらついつぶやいたひとり言は、本人にしっかりと拾われてしまった。
「到着早々、夫婦喧嘩を吹っ掛けてくるとはな。なんならこのまま本当に、喧嘩でもしてみるか? ベッドの上で」
そんな場所でする喧嘩って、一体なんなのよ!! と言い返したいのに、〝ベッド〟という私にとってのパワーワードにやられて赤面する。
それをおかしそうに笑った千秋さんは、ご機嫌な様子で私の手を引いた。
異性と手をつなぐのは、学校の授業以来だ。プライベートでそうする機会など、これまでありもしなかった。
それを知られるのはどうしても悔しくて、絶対に反応なんかしないと唇をぐっと噛みしめる。
早鐘を打ち出した鼓動を無視してなんとか耐えていたところ、視線を感じて顔を上げると、こちらを見下ろしていた千秋さんがニヤリと笑った。
〝これも初めてか?〟と問われている気がするのは、思い違いであって欲しい。きっと私の被害妄想だと目を逸らすと、くすりと小さく笑い声が聞こえてきた。