跡継ぎを宿すため、俺様御曹司と政略夫婦になりました~年上旦那様のとろけるほど甘い溺愛~
「そうよ。今を楽しむ付き合いなら、単に気が合う相手でいいのよ。でも、結婚となったら話は別。顔がいい、性格がいいだけでは、その先何十年も続く未来が安泰だとは言えないわ」

つまり収入や社会的地位とか、そういうものが重要なのか。私なら、性格や価値観の一致が大切だと言ってしまいそうだけど。
経験値の低すぎる私ではやっぱり感覚だけで口走ってしまいそうで、完全に聞き役に回った。

「単に気が合うからって、その場の感覚だけで伴侶を選ぶなんてナンセンス。その人と結婚したら、自分はどれだけの恩恵を得られるのか。性格がいいだけでもだめだし、収入が高いだけでもだめ。一生がかかってるんだから、総合的な視点で検討しないと。もちろん、逆に自分はそれに見合ったものを相手に提供できるかっていうところも大事なんだけどね。つまり、つり合いが取れてるかが重要なのよ」

岸本さんの主張はなんとなくわかるが、どうしても感情に流されがちな私にはしっくりこない。それに結婚に損得勘定を持ち込むようで、受け入れがたい。
 
「そういう意味において、愛佳さんはずいぶんうまい選択をしたわね」

「え?」

このタイミングで、私の結婚を引き合いに出されて驚いた。

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