強面カイくんの、行き過ぎる溺愛
トイレ終わりに、キッチンでコーヒーを仲良く淹れてソファに戻る。

とにかく、離れない快李。
ことある毎に結理に、キスを要求する。

「ユウちゃん」
「ん?ちょっと、待って!
今いいとこなの!」
結理はテレビに見入っていて、快李は結理の視線や意識が自分に向いていないことに苛立っていた。

「ユウちゃん!!」
「何?」
コマーシャルになり、快李に向き直る。

「キス、しよ?」
「うん…ンンン……」
「ん…フフ……蕩けてる…可愛い……」

そして、またテレビに視線を向ける。
五分も経たない内に快李は………

「ユウちゃん」
「ん?」
「キスしよ」
「うん……ンンン…」
「フフ…可愛い!」

そして結理は、テレビに視線を向ける。
しかし、すぐ……

「ユウちゃん、キス!」
と、快李は催促するのだ。


「ユウちゃん」
「………」
「ユウちゃん!」
「………」

「ユウ!!」
結理の目の前に顔を出す、快李。

「…っあ!び、びっくりしたぁー」
「もうテレビ、禁止!!」
リモコンを取ると、電源を切ってしまった。

「あーー!カイくん、酷いよー!」

「酷いのは、どっち?」
そのまま押し倒される。

「え……カイく……」

「僕とユウちゃん、どーっちだ?」
「え?」

「…………なぁ、ユウどっち?
俺を蔑ろにしてテレビを見てるユウと俺…
どっちが酷い?」
「………」

「ほら、言えよ……」

「ごめんね…一人にして……」
「ううん…わかってくれればいいんだよ?」
「カイくん」
「ん?」

「キス…しよ…////?」
快李の口唇をゆっくりなぞった。

「はぁ…ダメだ……」
「え?」
「ぞくぞくする…」
結理のあまりにも可愛い言動。

「ご、ごめん…なさ━━━━━ンンン……」
快李は、結理の口唇を奪うのだった。



そしてソファに腰かけている快李に、跨がり繋がっている結理。
服は乱れ、その色っぽい姿が更に快李の劣情を煽る。

「はぁはぁ…カイく……も…だめ…」

「フフ…凄いよ、見て!
ユウちゃんの身体、キスマークだらけだ!
綺麗……」
快李の膝の上でぐったりしている結理と、ぐったりどころか益々元気になる快李。

結理は快李の首に抱きついていた。

「カイくん、ごめんね…
重いよね?退かなきゃってわかってるけど、身体……動かなくて……」

「ううん!このままがいい……!
大丈夫。ユウちゃんは、全然重くないよ!
それよりも、このまま…繋がったまま放れたくない……!」
快李も抱き締め返し、背中をトントンと叩く。

「カイくんは…私に甘いね……」
「ん?そうかな?
…………そうかも?でも、それくらい大好きだから」

「私ね……高校三年生の時、カイくんが告白してくれたでしょ?
あの時、スッゴく嬉しかったんだ~」
結理が快李に向き直り、にっこりと笑った。
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