桜が咲く頃に、私は
ただ、お互いの吐息が聞こえるだけの静かな時間。


いつもとは違う、どうすればいいのかわからないキス。


10秒が経ち、ゆっくりと離れたけど、私の目は泳いでいて、どこを見ればいいのか……何を考えれば良いのかがわからない。


夢ちゃんの誕生日があったからか、空の数字は「91」、私は「106」まで減っていて、でもキスをする前は間違いなく「92」だった。


キスする直前に「好きだ」って言われたし……何がどうなってそうなるのよ。


「わ、私は……広瀬と喧嘩して、まだ別れてるかどうかわからないっていうか……その……なんで?」


なんで私のことが好きなの?


いつから好きで、もしかして花子と喧嘩していた日、言っていたことは嘘じゃなかったってこと?


疑問は次々と頭に浮かんでくるのに、何をどう言えばいいのかがわからなくて言葉にならない。


また沈黙。


以前の私なら、「黙ってないでハッキリ言えよ」くらい言っていたかもしれないのに、どうしてこんなに変わってしまったんだろう。


何も言葉を交わさないまま0時を過ぎ、「90」と「105」になった。


それを確認して、空が窓を閉めてもう一度私を見た。
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