桜が咲く頃に、私は
A day of suffering
12月14日。


私の余命「70」、空の余命「41」。


もう、私達が死ぬ日が見え始めて来た。


大体の予想通り、空は年明けしてしばらくしたら。


私は、誕生日を迎えて少ししたら死ぬ。


「おい、何ボケッとしてんだよ! 私の話聞いてた!?」


雨音が聞こえる屋上の手前のスペース。


立ち入り禁止のこの場所で、私と翠、深沢と他二名は昼食を摂っていた。


少し前から、なぜか知らないけどこの五人でつるむようになっている。


「ごめん、何の話?」


「いや、だから! 広瀬が気になんねーのかって聞いてんの!」


「あ、ああ……だってさ、キスしてるとこ見られたし、口も聞いてくれないし……もう無理だよ」


私がそう言うと、深沢達は呆れた様子で首を横に振って。


「いやいや、桜井と広瀬の恋愛とかどうでも良いって。そっちじゃなくてさ、あいつ……最近いじめが酷くなってるみたいだよ」


「そうなんだよな。うちのクラスのやつらは大丈夫だけどよ、他のクラスの中学の頃のやつらがヤバいみたい」


山田と佐藤が口々に話すけど、私はどうすればいいのか。


そのいじめているやつらを、私がキュッとしめても、きっと根本的な解決にはならないだろう。


広瀬がどうにかしなければならない問題だよ。
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