桜が咲く頃に、私は
Goodbye to Christmas
私と空が付き合い始めてから約一週間が経った12月22日。


いつものように晩御飯を食べて、空がお風呂に入っている間にしている洗い物の時に、夢ちゃんから衝撃の言葉を聞いた。


「えっ!? 空の誕生日って12月25日なの!?」


「お姉ちゃん、本当にお兄ちゃんと付き合ってるの? 普通、恋人の誕生日くらい知ってるでしょ」


それを言われると何も反論出来ないけど……夢ちゃんだって誕生日を教えてくれなかったし、さすが兄妹としか言えないよ。


それにしても誕生日か。


クリスマスと一緒だから、盛大にやるんじゃないかなっていう、勝手なイメージがある。


「じゃあ、夢ちゃんの誕生日の時みたいに、派手にやりますか」


「うーん。お兄ちゃん、盛大にお祝いされるの好きじゃないみたいなんだよね。ほら、ただでさえクリスマスと一緒なわけでしょ? 俺を祝ってるわけじゃなく、クリスマスで騒いでるだけだって拗ねてたこともあるから」


なんか空らしいというか、子供というか……。


私はごく普通の日が誕生日だからその気持ちはわからないんだよね。


「じゃあ……どうする? 三人でやる?」


お皿を拭きながら尋ねると、夢ちゃんは唸りながら顔をしかめて。


「もう、いっそ派手にやっちゃおうか」


そう笑顔で答えた。

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