桜が咲く頃に、私は
派手に……と言っても、日が変われば次の日はもうクリスマスイブで、急に誘える人も、プレゼントを用意する時間もあまりない。


無理だろうなと思いながら、翠達を誘ってみると……翠と深沢は予定がないみたいで二つ返事で来ると言ってくれた。


空とも面識はあるから大丈夫だろう。


翠なんて、初対面なのに夢ちゃんの誕生会に参加したんだから。


山田と佐藤は彼氏がいるみたいで不参加。


深沢が怒るのが目に浮かぶよ。


そして夜になって、私は空と同じ時間を過ごす。


この時には、空の数字は「26」と減りは緩やかになっていたけど、その代わりに私の数字の減りは早く「45」まで減っていた。


幸せを感じたら減る……という基準が曖昧だったけど、今となってはある程度コントロール出来るようになっていた。


近い未来に訪れる死を想像すれば、日常に感じる幸せは抑制することが出来たし、それで数字は減らなくなった。


だけど、突発的に嬉しいことがあると、心の抑制が追い付かずに数字が減ってしまう。


後は、好きな人とのキスだけはどれだけ幸せを感じないようにしようとしても、唇からそれが伝わるのか抑制は出来なかった。
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