桜が咲く頃に、私は
Shall we die?
空が救急車で搬送され、病院に運ばれたけど……すぐに死亡が伝えられた。


夢ちゃん、翠に連絡を取り、病院に来てもらったけど、医師が言うには「外傷もなく、まるで身体が役目を終えたかのようだ」と死亡原因がわからないようだった。


それを伝えられても……私はただ、泣くことしか出来なかった。


病院の長椅子で、事情を知る翠が私と夢ちゃんを慰める。


「早春、あんた大丈夫なの? 天川がいなくなってキス出来なくなったら、あんたまで死んじゃうなんて……ないよね」


生き返る直前に、天使が何か言っていたような気がするけど、はっきりとは覚えてない。


それに……空がいなくなったなら、たとえそれで死ぬとしてもどうでもよかった。


「わかんない! わかんないよもう! だって空、私に指輪くれたんだよ!? 結婚したいって言ってくれたんだよ!? なのに……なんで! 意味わかんないよ!」


出来るなら、空と一緒なら、今すぐにでも死にたい。


だけど、どうして空は自分の余命を全部私に与えたのか……。


それで死ぬとわかっていながら、どうして。


いつもは白っぽい数字が、空が死んだ後から金色に輝いている。


空の命を吸ったから光ってるってこと?


そう考えるとやりきれなくて、泣き続けるしかなかった。
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