桜が咲く頃に、私は
I was seen
「ぜんっぜんわかんない! どういうこと? お兄ちゃんと早春さんは付き合ってるんじゃないの? 違うならどういう関係なの? わかるように説明して!」


学校から空の家に帰って、私達は夢ちゃんの前で正座をさせられていた。


どうやら、私のことを空の彼女だと思っていたようで、広瀬と出会って疑問を持ったようだ。


学校でこの話をしなかったのは、恐ろしいほど空気が読める夢ちゃんの優しさだったのだろう。


「いや、俺は別にこいつが彼女だなんて一言も言ってないと思うけど……」


確かに空は一度もそんなことを言った記憶はないけど、それでは夢ちゃんは納得しないのだろう。


「だーかーら! 彼女じゃないならなんで家に泊めてるのって聞いてんの! おかしいでしょ! なんでもない人を泊めるなんて!」


これはどう説明すれば良いのか。


まさか二人同時に死んで、約一年の余命を二人で分けたから、命を維持する為に一日一回、10秒以上キスしなければ死んでしまう……なんて話をするわけにはいかないし。


夢ちゃんは察しが良いから、作り話をしてもすぐに見抜いてしまう気がして、おかしな嘘はつけない。

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