双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
その事件から数週間が過ぎようとしていた。

頭上を見上げれば、ハラハラと雪が舞い冷たい空気が肺を刺激する。

穏やかな日常が戻り、街は直に迫ったクリスマスのイルミネーションで鮮やかに彩られている。

子供たちはサンタさんが来るのを心待ちにしており、つい先日サンタさんに手紙を書いてそれを窓のところに飾って毎日プレゼントをお願いしている。

蒼汰は戦隊ものの変身セットを、優斗は電車のモノレールセットをそれぞれお願いしたらしい。

それを聞いて蒼斗パパサンタは張り切ってプレゼントの用意を進めていることは、もちろん子供たちには内緒だ。

「柚希、そんなに緊張しなくて大丈夫だ。俺がちゃんとリードするから」

助手席に座る私を蒼斗さんが気にかける。

「ありがとうございます。とても心強いです」

実は今日、蒼斗さんのご両親との顔合わせがあるのだ。その食事会をするホテルへと向かっている最中で、緊張気味の私は今朝からそわそわしていて気持ちが落ち着かずにいる。
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