双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
「パパのパパとママはやさしい? こわい?」

後部座席のチャイルドシートに座る蒼汰から質問が飛んだ。

「ふたりともとても優しいよ。蒼汰と優斗に会えることすごく楽しみしているんだ」

「ホント?」

「ああ」

「優斗もたのしみだよ」

子どもたちも一緒に会いに行くことになったのは、蒼斗さんのご両親の希望だ。そこについては連れて行くか迷ったものの、蒼斗さんと相談して四人で伺うことにした。

ふたりの機嫌がすこぶるいいことが救いだ。車内は会話と笑いが絶えず、ずっと和やかだった。

実家を出て四十分あまり。ホテルへと着き、駐車場に車を停めてホテル内へと足を進めていく。

ここは郊外の閑静な場所にあるホテルだ。ヨーロピアンクラシックな雰囲気の館内はアイボリーとグレージュカラーで統一されており、落ち着いた雰囲気が漂っている。

「ママ~、キラキラすごい」

ロビーの中央の吹き抜け部分の頭上に吊るされた光り輝くシャンデリアを見て、蒼汰が興奮気味にそう叫び見上げる。

ちゃかちゃかと落ち着きがない蒼汰と、緊張気味で私のもとから離れない優斗。実に対照的だ。
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