双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
「今日食事をするところは高いところにあるから、窓からの景色は絶景だぞ」

蒼汰の首元の蝶ネクタイを直しながら蒼斗さんが微笑む。一応、子供たちも正装させ、おしゃれなセットアップを着せてきたのだ。

親バカながら首元の蝶ネクタイがとてもかわいらしく、ふたりともとてもかっこよくセットアップを着こなしている。

私たち夫婦はネイビー色で揃え、私はセミロングの黒髪をシニヨンスタイルに纏め、シンプルなひざ丈のフレアワンピースを。

蒼斗さんはネイビーのシルクのタイトなスーツに、淡い黄色のネクタイを合わせてきた。

「鳴宮様、お待ちしておりました」

「今日は父が無理を言ってしまい申し訳ありません」

「とんでもございません。鳴宮様にはいつも当ホテルをご贔屓にしていただいておりますので、最上階のVIPルームをご用意させていただきました」

蒼斗さんの姿に気が付くと、支配人と見られる五十代くらいの長身の男性が駆け寄ってきた。どうやら鳴宮家はこのホテルの上客らしい。

「お気遣いをいただきありがとうございます。子供たちもあそこからの景色を喜ぶと思います」

「どうぞごゆるりとお楽しみくださいませ。さきほどお父様たちが先にお着きになりましたので、先にお部屋にご案内させていただいております」

支配人さんの後に続き、エレベーターへと乗り込んだ。そして、途中で高層階用のエレベーターに乗りかえて最上階へと向かう。
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