双子ママになったら、エリート心臓外科医の最愛に包まれました
ブラックスーツに白のワイシャツ。胸元には水色のネクタイ。この日のために散髪したのか、黒髪の短髪を軽くワックスでセットした爽やかスタイルの彼。

少し顔が強張っているようにも見える。こんな風な彼を見たのは初めてかもしれない。確かに私が逆の立場なら、蒼斗さん以上に緊張して穏やかではいられないと思う。

いつもの見慣れた風景を見つめながら心音が高鳴っていくのを感じる。ああ、もう少しで着いちゃう。

今日は館内メンテナンス日で旅館は休みなため、時間に追われることはない。実家の客間でお昼を食べながら顔合わせをする予定だ。

蒼汰と優斗には言っていない。両親と込み入った話もすることになるだろうから。ふたりには聞かせたくないこともある。

顔合わせの間、家の敷地内にある離れで仁紀がふたりを見てくれることになっている。一緒にクッキーを作るらしく、子どもたちは朝からテンションが高かった。

「ここを左に。あの大きな木の横のスペースに停めていただいて大丈夫です」

「了解」

車を降りると蒼斗さんと一緒に玄関へと向かい、ふぅ~っと一息吐いてから玄関のドアに手をかけた。
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