門限やぶりしようよ。
 セックスというものが、こんなに自分が自分じゃなくなるくらいに気持ち良くなる行為だなんて、知らなかった。

 優は私がさっきみたいに体中に力を入れて、甘い声をあげてもしつこいくらいに追い詰めた。頭の中はゆだっていて、何も考えられない。快感を与えてくれる彼のこと以外何も。やがて自分の中にある羞恥などとかされ無意識にもっともっととねだるように、優の舌の動きに合わせて腰を動かしてしまうまでそう時間はかからなかった。

「っ……やっ……ゆうっ……」

 もうすこしでまた絶頂するところだったところを止められて、非難めいた視線で見てしまった私に優は優しく微笑んだ。

「ごめん。けど、俺も……そろそろ限界。舐めながら結構中は指でほぐしたけど、痛かったら噛んで良いよ」

 そうして彼はどこからか取り出した四角いパッケージをベッドの上に置き、躊躇いなく自分も全裸になった。知識では知ってはいたものの、勃起した屹立を目にして私は一瞬だけ我に返った。

「……入らないよ……」

「大丈夫。入るよ。そう言うもんだから。これに慣れたらきっとこれなしじゃ、生きられなくなるようにするから」
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