門限やぶりしようよ。

青い空

 それから私たちは休みなく、何回も交わった。私の内部はすぐに快感を拾い出した。彼が奥まで擦り上げたり引き抜かれていく瞬間も、声が枯れるくらい甘い声をあげ続けた。

「はーっ……やば。俺ら何回やった? ゴム持ってて良かったわ」

 結局彼は鞄の中から四角い真新しい箱を取り出してそこから避妊具を取り出すまで、私たちは何回も体を合わせた。

「……優。手を繋いで……」

 後処理だけをしてあっさりと離れて行こうとした彼に驚いて、私はかすれた声で言った。

「大丈夫だよ。どこにも行かないよ……こんなに、可愛いと早く行かなきゃいけないのつらいな……」

 そう言って彼は時計を見上げた。もうチェックアウトの時間はすぐそばまで迫っていた。あっけない一夜の、終わりの時。

 彼と別れるその瞬間まで、私は懸命に我慢した。

 本当はすがりつきたかった。連絡先を教えて欲しい。すぐに……また会いたいと、そう言って泣きたかった。

 けれど、彼の言っている事を守り、待つ事。私に出来ることはそれだけだった。

 そんな思いを知ってか知らずか。優はヤンチャな笑顔を見せた。

「迎えに行くよ。待ってて」

 電車のドアは、音を立てて閉まった。彼を乗せて緑色の電車が通りすぎて行ってしまった。
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