門限やぶりしようよ。
 彼は他の女性との行為を匂わせ私の気分を害したことを誤魔化すように、ぬるっとした舌でまた私の花芽周辺を舐め始めた。あっという間に快感でとかされて、私は腰を上げて優の舌の動きと合わせた。

「あっ……あんっ……いいっ……ゆうっ……ゆうっ……」

 自然な仕草で両手の指を絡ませ合った私は、彼の柔らかな舌だけでまた絶頂させられた。ぎゅうっと両手を握り、少しだけ待った彼はまたどこからか四角いパッケージを取り出した。

「ごめん。ほんとは優しい男になって初めてだから一度だけで良いよって言ってあげたいけど、琴音とやりたくてたまらない。バカな猿って罵ってくれて良いよ。その通りだから」

「っ……私が、つけるの?」

 確かさっき、そういう事を言っていたと思って私は聞いた。ぼんやりとした視界の中、彼は優しく笑った。

「んー……してくれるの嬉しいけど、今触られたら出ちゃうから……また、今度ね」

 私たちの今度は、数年後だ。そう思ってやっぱり泣けて来た。

「ゆうっ……離れたくないっ……」

「俺も。けれど、この出会いは絶対に悲劇の始まりになんてしない。俺は耐えられる。琴音のためなら、何でも出来る。だから、大人しくして待っていて」

 そうして、彼はまたゆっくりとした動きで私の中に入り込んできた。
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