【電子書籍化】虐げられたうさぎ令嬢は、獣人の国で寵愛される。
私、セシール・バーニューデスはここの家の一応長女である。だが私は、魔法が使えない。魔力すらないらしい……そして先祖返りなのか獣人の能力を受け継いだため、頭には長くて白い耳が生えている。それに髪の毛はバーニューデスにはいない髪色でピンク色と金色のミックス、目はピンク色で獣人だったお祖母様と同じだ。
そんな私を家族は毛嫌いし、離れに追いやった。だけど食事はちゃんと用意されるし、生活には困らない。勉強が大好きでお祖母様が生きていた時にたくさんのことを教えてもらった。だから常識範囲内のことなら知っているつもりだ。
「良かった……捨てられてなくて」
本邸に行ったのは理由がある。それはお祖母様の部屋にあるとある本が読みたかったからだ。
【治癒魔法ノすゝめ】
そう書かれた本には聖魔法について書かれていて私が勉強にはもってこいの本だ。お祖母様は生前、私にこう諭していた。
『セシル、あなたはこの魔法を誰にも言ってはいけないよ。誰かにしたら、おばあちゃんとは一緒に居られなくなるから』
まぁ、亡くなってしまった今一緒にはいられることはないんだけど……