【電子書籍化】虐げられたうさぎ令嬢は、獣人の国で寵愛される。


「ここから王都までは一日かかる、だから王宮に着くのは二日後になるから準備するように」
「今からですか?」
「あぁ、幸い今はまだ太陽も昇り切っていないから今から行けば明後日の朝には着くだろう。謁見の間で着るドレスも購入予定だから」


 目がとにかく急げと圧をかけている。この話は早く切り上げたいのだろう。


「わかりました、すぐに準備をいたします」


 お父様はその言葉に安心をし、離れから出ていった。私は急いで旅支度を始める。あんまり物はないのだけどお祖母様がくださった裁縫箱や洋服、本などをトランクケースへ入れた。

 持っている服の中で可愛らしくて綺麗なワンピースを選んで着た。それから数分後、用意されている馬車で王都へと向かったのだった……見送りには誰一人も来るわけがなく、父の専属侍女であるカレンを一人付けられたが、きっと監視用なんだと悟った。



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