絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
「ねぇねぇ。ここ最近、旦那様ったら、ちっとも屋敷に帰って来られないわよね~。まさか、いい人でもできたのかしら?」 
「あぁ、その件ね……。それ、そんな色っぽい理由じゃないわよ」
 通いの掃除係ふたりがコソコソと話しながらこちらに歩いてくるのに気づき、慌てて頭を引っ込めた。
 しかもふたりは、レリウスさまのことを話題にしていた。わたしは息をひそめ、ふたりの会話に聞き耳を立てた。
「えー、どういう意味よ?」
「あなたにだから言うけど、絶対ここだけの話にしてね? たぶん旦那様は、国王様の密命を受けて、近々出陣するんだと思うわ」
「えっ、それ本当なの!?」
 聞かされた掃除係の女性は、ギョッとしたように目を見開いた。
 わたしも初めて聞かされた内容に驚いて、ピクンッと体が跳ね、尻尾がビリリと尖った。
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