絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 わたしはふたりの姿が完全に見えなくなるのを待って、木陰から飛びだした。
 一旦足を止め、屋敷にくるりと背中を向けて少し遠くの空を見仰ぐ。騎士団中央棟の尖塔と、その天辺で風にたなびく騎士団の紋章入りの旗が目視で確認できた。
 レリウスさまに拾われて、森から屋敷にやって来る際、わたしは騎馬で騎士団施設の横を通り過ぎている。その時の体感だと、レリウスさまの屋敷から騎士団まで、およそ六キロ。
 ……大丈夫! 遠いけど、歩けない距離じゃない。
 道だって、もし迷ってしまったら空を見上げ、尖塔とたなびく旗を目指せばいい。
《ふみゃあっ(待っててね! わたし、すぐに行くから!)》
 目指すは騎士団。レリウスさまのところだ――!
 わたしは覚悟を決め、テテテッと走りだす。王都に向かうのに第一の関門となる屋敷の正門は、小さな体が功を奏し、金属の隙間からスルリと通り抜けられた。
 こうしてわたしは誰にも見とがめられることなく、初めて自分の足で王都の街に踏みだした。

 てくてくてく。てくてく。。。
 一時間半後。
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