絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
仔ネコ、不穏な会話を耳にする
 宿舎棟を出たわたしは、柵で囲われた厩舎の脇を進んでいた。
 ……あれ? 馬が馬房から出されてる。
 一頭や二頭なら気にもしないが、何頭もの馬が続々とスタッフに引かれてくるではないか。しかも、その中にレリウスさまとユーグさん、ふたりの愛馬の姿を見つけ、首をかしげた。
 ……おかしいな。騎馬訓練はいつも午後に実施するって、前にレリウスさまが言ってたのに。
 なんとなく気になり、わたしは足を止め、柵越しに中の様子を窺った。
 最終的には、厩舎スタッフの手によって五十頭ほどの馬がエリア中央に集められた。その全てに手際よく鞍が付けられていき、またある馬には見慣れない形状の積荷が括られていた。
 ……あの長くて大きいのって、なんだろう?
 よくよく目を凝らすと、それらの形状からピンとくる。
 カバーがかけられてるけど、中は刺股状の捕縛具や投擲武器とかそういうのだ! 昔映画で見た捕り物のシーンで、ちょうどああいうのが使われていた!
 ……間違いない。これは出陣の準備だ!
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