絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
……ん?
なるほど。少女に指摘されるまで気づいてすらいなかったが、どうやら弾いた際に切ってしまったらしく、手の甲から血が滴って袖を濡らしていた。さらに、地面に伏せた際に傷口を擦ったようで、土がこびり付いて汚れていた。
「なに、この程度は怪我のうちにも入らん。それより、君の方こそ裸足で血が滲んでいるのでは――」
「わたしのことはいいんです! こんなのはほんの擦り傷で……とにかく、今はあなたの手です! かなり出血しているじゃありませんか!?」
俺がずっと気になっていた足の状態を尋ねようとしたら、少女は俺の言葉を遮り、焦った様子で俺の右手に向かって両手を伸ばした。
「あぁ、こんなに土が付いてしまって……っ!」
少女がキュッと俺の手を握り込む。
少女に触れられた部分がトクントクンと熱を持ち、傷よりもずっとこそばゆく疼いた。
「月の力よ、お願い! レリウスさまの手を綺麗にして……!」
突然、少女が月を見仰いで祈りの声をあげた。直後――。
――フワァアアッ。
なるほど。少女に指摘されるまで気づいてすらいなかったが、どうやら弾いた際に切ってしまったらしく、手の甲から血が滴って袖を濡らしていた。さらに、地面に伏せた際に傷口を擦ったようで、土がこびり付いて汚れていた。
「なに、この程度は怪我のうちにも入らん。それより、君の方こそ裸足で血が滲んでいるのでは――」
「わたしのことはいいんです! こんなのはほんの擦り傷で……とにかく、今はあなたの手です! かなり出血しているじゃありませんか!?」
俺がずっと気になっていた足の状態を尋ねようとしたら、少女は俺の言葉を遮り、焦った様子で俺の右手に向かって両手を伸ばした。
「あぁ、こんなに土が付いてしまって……っ!」
少女がキュッと俺の手を握り込む。
少女に触れられた部分がトクントクンと熱を持ち、傷よりもずっとこそばゆく疼いた。
「月の力よ、お願い! レリウスさまの手を綺麗にして……!」
突然、少女が月を見仰いで祈りの声をあげた。直後――。
――フワァアアッ。