絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
お腹を掴んだままヒョイと持ち上げられ、くるんと体の向きが変えられる。レリウスさまと私の視線がぶつかり、彼の瞳に籠もる静かな怒りに気づいて、ビクンとした。
……レリウスさまが、すごく怒ってる。
声を荒らげたりとか、睨みつけたりとか、そういうんじゃない。でも、ずっと一緒に過ごしてきたわたしには、アイスブルーの瞳に燻る怒りがわかる。
《みぃ(どこって、そんなのわかんないよ。……でも、わたしが魔物だってバレちゃったからには、もう一緒には暮らせないでしょう)》
「まさか、俺のもとから逃げようとしているのではあるまいな?」
地を這うような声音で問われ、わたしはおっかなびっくりで答える。
《ふみぃ(違うよ。逃げるんじゃなくて、わたしはふたりの未来のために出ていくんだよ。魔物なんて飼ってたら、レリウスさまのところにお嫁さんがきてくれなくなっちゃう。わたしとしても、レリウスさまと仲良くする女性の姿を見るのはやっぱりつらい。だからわたしが――)》
「許さん! どんな理由があれ、俺のもとを出ていくなど許さんぞ!」
……レリウスさまが、すごく怒ってる。
声を荒らげたりとか、睨みつけたりとか、そういうんじゃない。でも、ずっと一緒に過ごしてきたわたしには、アイスブルーの瞳に燻る怒りがわかる。
《みぃ(どこって、そんなのわかんないよ。……でも、わたしが魔物だってバレちゃったからには、もう一緒には暮らせないでしょう)》
「まさか、俺のもとから逃げようとしているのではあるまいな?」
地を這うような声音で問われ、わたしはおっかなびっくりで答える。
《ふみぃ(違うよ。逃げるんじゃなくて、わたしはふたりの未来のために出ていくんだよ。魔物なんて飼ってたら、レリウスさまのところにお嫁さんがきてくれなくなっちゃう。わたしとしても、レリウスさまと仲良くする女性の姿を見るのはやっぱりつらい。だからわたしが――)》
「許さん! どんな理由があれ、俺のもとを出ていくなど許さんぞ!」