絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
「はははっ、まったくお前らしい。……レリウス、実にご苦労だった。おかげで長きに渡り国家に蔓延っていた膿が一掃できた。騎士団の方にはコリンの一件も含め、俺の方から報せをやっておく。この後は休暇でも取って、数日ゆっくり休むといい」
 レリウスさまはヒョイと肩をそびやかし、首だけで後ろを振り返った。わたしは向かい合わせの抱っこの体勢から、前足をレリウスさまの肩に置き、伸び上がって王様をチラ見した。
「俺のおかげではない。今回の征伐成功はすべてはルーナのおかげだ」
「そうだったな。……ルーナ嬢、カインザー王国を代表し、心より感謝申し上げる」
 王様がレリウスさまとよく似たブルーの瞳で優しげにわたしを見つめ、優雅に腰を折る。
《みゃあっ(わぁあっ! 王様、感謝の気持ちは十分伝わったから頭を上げて!)》
 あわあわするわたしに、王様は白い歯をこぼした。
 わわわ、素敵な笑顔……! レリウスさまそっくりの美男子に微笑んで見つめられ、思わず照れる。
「はははっ。また会おう、ルーナ嬢……いや、義妹よ」
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