絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
《みゅー(うん。バイバイお義兄さん、またね)》
 へへへっ。
 レリウスさまはやたらと大股で扉に向かい、あっという間にキラキラの笑顔が遠くなる。
 はわぁ~っ、まるで王子様みたいだったな……って、実際王様なんだっけか。
 こんなふうに、細マッチョ版のレリウスさまが見せた微笑みと淑女にするみたいな最上級の礼に、ちょっぴり胸がときめいてしまったのは内緒だ。
 ――カツカツカツ。
 ――ギィイイ。
 レリウスさまは入った時と同じように自分の手で扉を開け、廊下に出た。
 ――バタンッ。
 扉が閉まるや、ブリザードの中にいるみたいな寒気に襲われる。
 え? なんで一気に寒くなっちゃった!?
「他の男に頬を染めるとは悪い奥さんだ。なぁ、ルーナ?」
 ギクッ! さらに、レリウスさまが氷点下の声音で口にした「ルーナ?」に、思わず震え上がる。
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