絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
「ああ、もしかしてチキンの味付けを心配しているな? 大丈夫だ。お前の苦手なスパイスは使われていなかったし、これもフルーツサンドに負けないくらいいい味だった。安心して食べるといい」
 俺が俯いたままのルーナの頭をポンッとなでながら伝えたら、ルーナは片方の前足を胸にあてて上目遣いで俺を見た。
 ……ん?
 ふと、ルーナの目が僅かに潤んでいることに気づく。
 さらに、ルーナはもふもふの体毛ゆえ皮膚の色などわかろうはずもないのだが、なんとなく人が照れたり恥ずかしがったりする時のように頬を赤く染めているような、そんな気がした。
《みゅーぁ(レリウスさまのバカ。……わたし、心臓が止まっちゃうかと思ったんだから)》
 ルーナがあげた小さな鳴き声は、非難めいているようにも、甘やかな響きを含んでいるようにも聞こえ、俺を戸惑わせた。
 ルーナは再び目線を皿に落とすと、今度こそサンドイッチに齧り付いた。ルーナが食べ始めてからも、俺はなかなかルーナから視線を逸らすことができなかった。
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