絶体絶命の転生ライフ、カタブツ騎士団長の溺愛にたじたじです ~追放された子猫は愛妻にジョブチェンジ!?~
 へへへっ。シェフのおじちゃんには、いつもお手数かけます……って、今はそうじゃなくて! ユーグさんの突き刺さるような視線をどうしよう……。
「ネコが、生肉を食べない?」
 ヒィッ! ユーグさんが漏らした低い声と射貫くような眼差しに、思わずちびりそうになった。
「……レリウス様、常識的に考えてもルーナの食事はひとまずネコ用の総合栄養食に変えるべきです」
 出たぁああっ!
 生肉強要も嫌だけど、ネコ用カリカリも嫌だよぅ……、ぅううっ。
「うむ。お前の言う『普通』や『常識』はわかった」
 ひぇええっ! しかもレリウスさまが、ユーグさんに賛同してる!?
 ……あぁ、終わった。わたしのご飯、カリカリになっちゃう。
 わたしはショックに打ちひしがれた。
「だがユーグ、すべてがすべて『こうあるべき』と、頭でっかちに型に嵌め込む必要はないだろう。人間にも野菜を好む者がいたり、肉を好む者がいたり好みは様々だ。ネコとて、同じでいい」
 ……え?
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