きみの隣にいるために(編集中)


小さい頃はバレンタインになると一吹くん、ヒナちゃん、それぞれに手作りのチョコを渡していた。


でも、私が一人暮らし、一吹くんが宿舎で生活をするようになってからは会う機会も減り、毎年ヒナちゃんにPapillonで売られているチョコを渡すようになっていた。

それをヒナちゃんが他の荷物と一緒に宿舎に送ってくれていたのだ。



今年も例年通り既製品を渡す予定だったけど……。

そうか、今年は直接渡せるかもしれないんだ。


「ヒナちゃん、毎年手間かけさせてごめんね。今年は自分で渡すね」

「いや……私が言いたいのは手間とかそういうことじゃなくて。今年も義理チョコ渡すつもりなの?ってところよ!」


「Papillonのチョコはひと箱3000円で本命にもおすすめだよ?それに既製品イコール義理チョコとも限らないでしょ?」

毎年、人気の種類は早めに予約しておかないとバレンタイン前には売り切れてしまう。

雑誌の特集にだって掲載されたことがあるPapillonのチョコ。

「しーちゃん、営業トークはいいから。そもそも、一吹は毎年義理チョコだと思って受け取ってると思うよ?本命だってことちゃんとアピールしないと」

「でも、それって気持ちがバレたりしない?」

急に手作りなんか渡したら、気合が入ってるなって思われないかな?

「いいんじゃないの?バレても」

「えっ?」





< 163 / 280 >

この作品をシェア

pagetop