きみの隣にいるために(編集中)
『20☓☓年、夏
久我山一吹、初主演映画決定!』
「累計1000万部を突破した伝説の少女漫画を完全実写化。現役高校生の一吹が……」
そこまで読んで言葉に詰まる。
なぜなら、その続きに書いてあったのは、
『一吹が演じるのは年上幼なじみに想いを寄せる男子高校生。色々な手を使い彼女に自分をアピールする』
と、まるで最近の私達のような話だったからだ。
それに加えて『ルナさんに好きになってもらえるなら何でもする』という決め台詞。
私はさっき似たような言葉を耳にした。
そこで、点と点が線で繋がる。
今までの行動は全てこの役を演じるための役作り。
それなら、一吹くんの付き合うつもりはないという言葉にも納得がいく。
でも、正直に言ってくれれば良かったのに。
そしたら、すごいねってヒナちゃんと一緒にお祝いして、役作りに必要なことなら何でも協力した……。
「それじゃあダメだったのかな」
私の存在って、一体何だったんだろう───。