きみの隣にいるために(編集中)
待っててほしい




一吹くんのスマホを届けてから3日。

今日は初ちゃんと約束をしたチョコ作りの日だ。

「栞お姉ちゃん、チョコ溶けたよ?」


2人並んでキッチンに立ち、今は初ちゃんリクエストの生チョコを作っている真っ最中。


「えーっと、じゃあ次はバットに流し込もうか」

「うん!」

予めクッキングシートを敷いていたバットに、初ちゃんが慎重にチョコを流し込む。

それを綺麗に平らにした後、冷蔵庫へとしまった。

「固まるまで1時間位かかるから、今度は私の手伝ってもらっちゃおうかな?」

「手伝うー!」

初ちゃんの元気な返事と共に、今度は職場用のチョコへと取り掛かる。

今年はガトーショコラ。


生チョコを作る際、一緒に刻んでいたチョコをバターと一緒に湯せんで溶かしていく。


その途中、無垢な瞳が私をじっと見つめてきた。

私が「どうしたの?」と尋ねると、逆に「栞お姉ちゃんは誰にチョコあげるの?」と質問が飛んでくる。



「職場の人と、お友達かな」

「えー好きな人は?初はねー、3組のタケトくんにあげるんだ。タケトくんってねー、」

隣でタケトくんのことを話し始めた初ちゃんの笑顔はキラキラと眩しい。





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