もう、離れるな 〜地味子×チャラ男の一途すぎる両片思い〜
それから俺は、どんどん過去を遡っていった。

高校、アメリカ時代、中学、小学校……。

琴莉以外で、俺が関わった人間全てを書き出してみた。

文字にして、写真を見て、蘇る言葉の数々。

そして、振り返ってみると、彼らの言葉から作られた俺もたくさん存在する。

休日どこに行った、とか。

夜寝る前にすること、とか。

学校での何気ない一コマ、とか。

そういう、俺の日常には、1人ひとり存在していたことが分かった。

琴莉以外の、誰かが。


じゃあ、俺は琴莉がいなくてもちゃんと生きていけるのか?

俺はもう1度、書いていた文字を眺める。

特に、アメリカ時代の名前。

ケビン。

レイリー。

ベン。

…………全員、昔の俺を知り、今の俺を作ってくれた。

彼らといた時が、1番琴莉と離れていた。

だから、彼らとの思い出が1番近いんじゃないかと思った。

琴莉がいない、未来を考えるのに。

でも……結局いくら思い出しても探っても。

無理だった。


琴莉がいない未来を想像するのは。


だって、どんなにたくさんの人と会っていたと分かっても。

彼らとの会話、行動を思い出しても。

くっきりと見えてきてしまったのだ。



琴莉という存在が、確かにいつもそこにいたことを。



でもきっと、それだけじゃないんだろう。

俺がするべきことは。

もっと、もっと何かしないと。

そうしないと。

俺は本当に琴莉を失ってしまう……。



そんな時だった。


「お前がそんなことをうじうじ考えている間、バードちゃんがお前のおかげで幸せになれたと思うのか?」


と俺にハッパをかけてくれたアメリカ時代の友人、ケビンから突然連絡があったのは。
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