俺の恋人のフリをしてほしいと上司から頼まれたので「それは新手のパワハラですか」と尋ねてみたところ
「ええ。構わないわ。どちらにしろ、見合いの相手もモニカだったし」
 おほほほと高笑いしている前王妃は楽しくて仕方ないらしい。カリッドとモニカは驚いて顔を見合わせた。

 つまり、いい加減カリッドを結婚させたかった彼の両親は、再び彼の相手を探し始めた。どこかに彼の相手がいないかな、と思っていろんな人の協力を得て、それっぽい女性を探そうとしていたところ。女性不信をこじらせているカリッドが受け入れられるような女性は、やはりリヴァージュの民の長の娘しか心当たりがなく、過去の件もあったが、二人が大人になった今なら大丈夫だ、多分と、仄かに双方の両親が動いていた、ということだ。

 ところが。
 優秀な使用人であるイアンからどうやらカリッドには思っている人がいるようだという情報を得た。だが長年女性不信をこじらせていたカリッドが、思っている女性に対して行動に移すようなことができるわけもなく、仕方なく今回のお見合いという話を持ちだしてみたところ。なんとかへたれなカリッドもやっとその女性に気持ちを伝えられた、ということで。
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