2/3片思い
2章 相談
松川くんのことを意識するようになってから、毎日学校への道のりは浮き足立っていた。

楽しくてワクワクしてるんだけど、いつも緊張しててなんだか落ち着かない。

自分が自分じゃなくなる瞬間がいくつもある感じ。


例えば、朝、教室に入ったとき。

今までなら、親友のマヨが来てるか確認して、来てたらまっすぐにマヨの方へかけよって挨拶をしていた。

だけど今は違う。

まず、できるだけさりげなく松川くんの姿を探す。

その姿を確認したら、高鳴る胸を誰にも気づかれないように、少し背筋を伸ばして、わざとすまして・・・そして、自分の座席へまっすぐ向かう。マヨは二の次って感じ。

変な私。

席についた私に気づいたマヨがかけよってきた。

「おはよう!ナツミ!」

「あ・・・、おはよう、マヨ。」

誰も意識してないときは、もっと大はしゃぎで抱き合って挨拶したり、大きな口あけて笑っていたのに。

大口開けて笑うのすら躊躇われる。

意識しすぎだっての。自分でもよくわかってるんだけど、なかなかそんな自分に素直になれないでいた。

視線はマヨに送りながらも、いつも私の意識は全て松川くんに集中していた。


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